『日本語を母語とする私たちが、外国人と日本語でやりとりをすること、さらに外国人どうしが日本語でやりとりすることを「対外日本語コミュニケーション」と名づけて、その問題点や解決法を探って」いく、という本です。
問題点というのは、はしょってまとめると、大して上手でもないのに「日本語お上手ですね〜」とべた褒めする「子供扱い型」であったり、逆にささいな間違いも許容できない「高ハードル設置型」といった、我々日本語話者の態度。
解決法というのは、より簡略化した日本語を使いわかりやすく話す技法、となります。
日本語の簡略化というと、「美しい日本語を守ろう」と大反対する人もいますが、この本で提唱する簡約化の技法は日本人どうしの普通の会話に適用されるものではなく、あくまでも「日本語という外国語」を話す人々への言語的処置、ということです。
英語のネイティブスピーカーから自分の話す英語にダメ出しをされ続けたら、心もくじけようというもの。その逆もまた然りです。
後半では「以下の文をシンプルに言い換えてみましょう。」という練習問題が随所に出てくるので、クイズ感覚で楽しみながら読めます。
「日本語という外国語」のプロである私自身も様々な気付きがありましたし、仕事などで「日本語を話すベトナム人」と毎日接している人にも読んで頂きたい一冊です。
【関連する記事】