通学の手間が省ける、時間の融通が利きやすい、距離の問題がないので海外の講師から直接レッスンが受けられる、などオンラインレッスンには多くの長所があります。ゆえに、英語業界では幾多の業者が生まれ価格競争も始まり、ライフサイクルで言えば導入期から成長期に入っているようです。
私はスカイプでの授業も実際に行なっているので(英語ではありませんが)、講師としての視点からオンライン・オフラインのレッスンを見てみますと・・・
オンラインレッスンの諸々ある欠点のうち最大のものは、「黒板を大きく使えない」ということです。
オンラインホワイトボードもいろいろ試しましたが、どれも手書きの筆跡を正確にトレースできずカクカクした大きな文字になってしまうので、語学レッスンの板書用としては使えるレベルではありません。従って背後の黒板に手書きで板書するのですが、狭いカメラの視野内で、しかも画素数が低めのカメラでも視認できる字の大きさで板書するとなると、書ける範囲がものすごく小さくなります。これが非常〜に不便。
また、言葉を視覚からも記憶させるために絵カードをたくさん使うのですが、これもWEBカメラの前にかざさないといけないので、これまた極めてやりにくい。
使える空間の狭さというのが、実際にスカイプの前で授業をすると、想像以上に大きな手かせ・足かせになります。ここが直接対面の授業と大きく異る点です。
フリートークで「さあ、恥ずかしがらずに話しましょう、今日はどんな話題にしましょうか?」なんて授業なら、そんなこと問題にもならないのでしょうが、初級者相手のレッスンだとそうもいきません。
しかし最大の欠点であるカメラの視野の狭さが、講師にとって素晴らしい利点になるということが、実は1つだけあります。それはそう、上半身だけパリっとした格好をしていれば良いということ(笑)。
ホーチミン市は年がら年中クソ暑い、そしてエアコンがない・・・とくれば、上半身ネクタイ・下半身短パン素足で授業なんてことも(爆)。スカイプ画面の向こう側には、実は異様な世界が広がっています・・・。