昨日もそうでしたが、それはありえないです、というちょっと困った依頼もたまに来たりします。
「これくらいの期間で、ここまで到達させて欲しい」というリクエストがついてくるのですが、これが案外曲者。もちろん企業がお金払ってやることですから、納期や品質基準があるのは当然です。この納期や基準にあたるのが私たち日本語教育業界の場合、上記のような「到達目標」。これについてリクエストがあるのは当然すぎるほど当然なので、それに依存はないのですが…。
問題(?)は、その基準が高すぎることです。今回の依頼は、『今のゼロ状態から、3ヶ月で日本語能力試験3級合格レベルに到達』…。まだ仕事を始めていないので、一日中勉強だけさせていればいいとのことなのですが…。
日本語を教えるというのは、パソコンの入力作業とは全く違います。『3級は300時間の学習が基準になっているから、じゃあ一日4時間半、3ヶ月毎日勉強させれば3級に手が届く』…、とは間違ってもなりません。確かに私たち教師が教えることは十分可能ですが、では学習する人たちがついてこられるか、吸収できるかとなると、全く別問題。はっきり言って、98%無理です、ありえません(笑)。記憶力のずばぬけた2%はどうにかなると思いますけど…。
で、「3ヶ月で3級はまずありえません、無理です。会社のお金を無駄に使わせるようなことは、私たちとしてもできません。」と伝えたところ、「(相見積もりをさせた)他の学校はできると言っている」と。どこの学校だろ?それ(笑)。
まあどこでもいいですけど、「では、その学校にご依頼ください」と返事して、今回の話はお断りしました。ホントはすごく欲しかったんですけどね、その仕事(涙)。
でもやっぱり3ヶ月で3級は、いくらなんでも…。『逆の身になって、あなたが業務命令で「ベトナム語日常会話を3ヶ月でマスターせよ」と言われたら、そりゃやっぱり、「無茶な!」って思うんじゃないですか』と返事しようかと思ったけど、さすがにその度胸はなかったKENでありました(笑)。
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